ピアス・イヤリングの値段の決め方|金具で変わる材料費と計算例、相場との比べ方
公開:2026-10-15
ピアス・イヤリングは、ハンドメイドでいちばん出品数が多いジャンルです。数百円の作品がたくさんあるので、「自分の作品はいくらにすればいいのか」がいちばん迷いやすい作品でもあります。
この記事では、同じデザインのピアスを「金具の種類」だけ変えて、材料費と適正価格がどう変わるかを計算します。相場との比べ方も最後にまとめます。
材料費は「金具」で決まる
ビーズやパールが同じなら、材料費の差はほとんど金具の差です。1組(2個)あたりの目安です。
| 金具 | 1組の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 真鍮・合金のフック | 10〜20円 | 安い。金属アレルギーの人には向かない。変色しやすい |
| サージカルステンレス | 40〜80円 | アレルギーが出にくい。価格の理由にしやすい |
| チタン・樹脂(ノンホール) | 50〜100円 | イヤリング派・金属が苦手な人向け |
| 14KGF(ゴールドフィルド) | 300〜500円 | 高級感。材料費が一気に上がるので価格帯が変わる |
計算例:コットンパールのフックピアス
コットンパール2個 50円、Tピン・丸カン 10円。制作時間は撮影・梱包を含めて25分。時給1,000円、上乗せ利益10%、minne(10.66%)、送料240円は別、で計算します。
| 金具 | 材料費 | 梱包 | 必要な価格 | 手数料 | 時給 |
|---|---|---|---|---|---|
| 真鍮フック(15円) | 75円 | 40円 | 690円 | 約99円 | 約1,142円 |
| サージカルステンレス(60円) | 120円 | 40円 | 740円 | 約105円 | 約1,141円 |
| 14KGF(360円) | 420円 | 40円 | 1,110円 | 約144円 | 約1,215円 |
金具を真鍮からステンレスに変えても、必要な価格の差は50円です。材料費の差45円に手数料が乗っただけなので、「アレルギー対応」を理由に100円高く売れるなら、ステンレスにしたほうが手取りは増えます。
相場(500〜800円)で売るとどうなるか
ステンレス金具のピアス(材料120円・梱包40円・25分)を、よく見かける価格で売った場合です。
| 販売価格 | 手数料 | 材料と梱包を引いて残る額 | 時給 |
|---|---|---|---|
| 500円 | 約79円 | 約261円 | 約627円 |
| 740円(計算した価格) | 約105円 | 約476円 | 約1,141円 |
| 800円 | 約111円 | 約529円 | 約1,270円 |
500円で売ると時給は約627円。25分で作れる速さがあってこの数字なので、慣れないうちに40分かかっていれば時給は約390円です。 ピアスの相場が安いのは、材料費が安いからであって、時間が短いからではありません。
ピアスならではの、値段に入れておきたいこと
- 片方だけの紛失・交換対応:「片方だけ作り直し」の依頼は珍しくありません。上乗せ利益の10〜20%はこの備えでもあります。
- 台紙とOPP袋:ピアス台紙は1枚8〜15円、OPP袋3円、ショップカード10円。見た目のよい台紙は「安く見えない」ための大事な材料費です。
- イヤリング金具への変更:イヤリング金具はピアス金具より高いことが多いので、「イヤリングに変更可」にするなら、変更後の金具代で計算しておきます。
- 定形郵便で送れるかどうか:台紙+OPP袋+厚紙で厚さ1cm以内に収めれば、送料は110〜140円で済みます。送料の記事を参照。
相場より高くなったときの考え方
- まとめ作りで時間を減らす:ピアスは同じ工程の繰り返しが多いので、10組まとめて作ると1組あたり15分台になることが多いです。25分→15分で、必要な価格は740円から約550円に下がります。
- 金具で差をつける:「サージカルステンレス使用」「14KGF」は、価格が高い理由として伝わりやすい言葉です。
- 価格帯を分ける:シンプルなワンポイントは手に取りやすい価格、ビーズを編み込むような手間のかかる作品は1,500円以上、と分けて並べる。
- セットにする:ピアス+ネックレスのセットは、1点ずつより梱包と送料の手間が1回で済み、手取りが増えます。
自分の材料費と時間で計算するには、計算機に数字を入れるだけです。値段の考え方そのものは値段の決め方に、材料費の出し方は原価計算にまとめています。