ハンドメイドの時給はいくらが普通?|時給が低くなる理由と上げ方
公開:2026-10-15
「ハンドメイドで月3万円売れた」と聞くと順調に思えますが、そのために何時間使ったかを数えると、時給が300円だった、ということは珍しくありません。 この記事では、時給の計算のしかたと、時給が低くなる理由、そして同じ作品で時給を上げる4つの方法を、計算例で比べます。
時給の計算式
時給 =(販売価格 − 販売手数料 − 自分で払う送料 − 材料費 − 梱包費)÷ 制作時間(時間)
制作時間には、作る時間だけでなく、写真を撮る・出品文を書く・梱包する・発送する時間も入れます。 作品1個に直すなら、「まとめて作った合計時間 ÷ 個数」です。
例:1,200円のブローチの時給
材料費300円・梱包60円・制作60分(撮影や梱包を含む)の作品を、minne(手数料10.66%、送料240円は別)で1,200円で売った場合。
| 金額 | |
|---|---|
| 販売価格 | 1,200円 |
| 販売手数料(送料にかかる分を含む) | −154円 |
| 材料費+梱包費 | −360円 |
| 残る額(=工賃) | 686円 |
| 時給(60分) | 686円 |
もしこれを「送料込み1,200円」で売っていたら、送料240円も自分の負担になるので、残る額は472円、時給も472円に下がります。
ハンドメイドの時給は、いくらが「普通」?
正直に言うと、はじめのうちは最低賃金(2026年度の全国平均は1,177円)を下回る人がほとんどです。 材料費と手数料を忘れた値付け、相場に合わせた値付け、慣れていないことによる制作時間の長さ、が重なるからです。
ただ、時給が低いこと自体より、いくらなのかを知らないことのほうが問題です。 知っていれば「この作品は趣味として続ける」「この作品は値段を見直す」と選べます。目安として、
- 趣味の延長なら:赤字でなければよい(材料費と手数料を回収できている)
- 副業として続けるなら:最低賃金に近い1,000〜1,200円
- 生活の柱にするなら:1,500〜2,000円以上(道具代・税金・売れない時期の分も含めて)
時給が低くなる3つの理由
- 時間を数え忘れている:制作時間だけ数えて、撮影・出品・梱包・発送・問い合わせ対応を入れていない。これらは作品1個あたり10〜20分になることが多いです。
- 手数料と送料を忘れている:1,200円で売れても手元に1,200円は来ません。送料込みなら、さらに送料も引かれます。
- 「相場」に合わせている:相場は、時給を計算していない作家の値付けも含めた平均です。自分の制作時間が相場の作家と同じとは限りません。
同じ作品で時給を上げる4つの方法
さきほどのブローチ(時給686円)で、何をどれだけ変えると時給がいくらになるかを比べます。
| 変えること | 時給 | メモ |
|---|---|---|
| 今のまま(1,200円・60分・minne) | 686円 | |
| ① 価格を1,500円にする | 955円 | 300円の値上げで時給は約270円上がる |
| ① 価格を1,800円にする | 1,223円 | 時給1,000円超え |
| ② 制作時間を60分→40分にする | 1,030円 | 価格はそのまま。まとめ作り・工程の見直しで |
| ③ イベントで売る(手数料0・送料なし) | 840円 | 手数料がなくても、出展料と当日の時間は別にかかる |
| ④ ①と②の両方(1,500円・40分) | 1,432円 |
時給1,000円を目標にするなら、今の作り方のままだと販売価格は約1,560円必要です。 この「目標の時給から必要な価格を出す」計算は、トップページの計算機でできます。
① 価格を上げる
いちばん効果が大きく、いちばん怖い方法です。いきなり全部ではなく、新作や一部の作品から。伝え方は値上げの仕方にまとめています。
② 制作時間を短くする
- まとめて作る:10個分の材料を先に切り出す、同じ工程を続けてやる。段取りの時間が1回で済みます。
- 型紙・治具・テンプレート:毎回測らない。写真も、置く場所と光を決めておけば1枚30秒です。
- 出品文の雛形:サイズ・素材・注意書きは使い回し、作品ごとの説明だけ書く。
- 梱包の定型化:資材を1か所にまとめて、迷わず同じ手順で包む。
③ 販売先を変える
手数料の低い販売先に移すと、同じ価格でも残る額は増えます。ただし、BASEやSTORESのような自分のショップは集客を自分でする必要があり、イベントには出展料と時間がかかります。手数料だけで選ばず、販売先ごとの特徴と合わせて考えてください。
④ 時給の低い作品を見直す
作品ごとに時給を出してみると、「材料費は高いのに短時間で作れる作品」と「材料費は安いのに何時間もかかる作品」で、時給が2〜3倍違うことがあります。 時給の低い作品は、値上げする・ラインナップから外す・受注生産にする、のどれかを選びます。 ねづけ帳の作品の管理では、登録した作品の時給を一覧で比べられます。
まとめ
- 時給は「価格 − 手数料 − 自分で払う送料 − 材料費 − 梱包費」を、撮影や梱包も含めた時間で割る。
- 最初は最低賃金以下が普通。知らないことのほうが問題。
- 価格・時間・販売先の3つのうち、効果が大きいのは価格、確実なのは時間。