こしらえ堂

ハンドメイドイベント出店の費用と損益分岐|何個売れたら黒字になる?

公開:2026-10-15

ハンドメイドイベントは、お客さんの反応を直接見られて、販売手数料もかかりません。 その一方で、出展料や交通費が先に出ていくので、「楽しかったけれど、計算したら赤字だった」ということも起きます。

この記事では、イベント出店にかかる費用を洗い出し、「何個売れたら元が取れるか(損益分岐点)」を計算する方法を説明します。

1. 費用を全部書き出す

週末1日のイベントに出る場合の例です。金額は地域やイベントで大きく違うので、自分の数字に置きかえてください。

費用例メモ
出展料(ブース代)5,000円屋内の大型イベントは1〜3万円のことも
交通費・駐車場1,000円往復分。車なら高速代も
什器・ディスプレイ300円3,000円のものを10回使うとして1回300円
値札・ショップカード・袋500円消耗品。残れば次回に回せる
釣り銭の用意・キャッシュレス手数料200円スマホ決済を使うなら売上の約3%
合計7,000円

昼食代や前日の準備の時間は、入れるかどうかを自分で決めます。入れないなら「その分は趣味の費用」と割り切っていることを自覚しておくのが大事です。

2. 1点売れると、いくら残るか

イベントでは販売手数料がないので、1点売れたときに残る額は「販売価格 − 材料費 − 梱包費」です。 平均の販売価格が1,200円、材料と梱包が300円なら、1点あたり900円が残ります。

3. 損益分岐点:何個売れたら黒字か

黒字になる個数 = 出店の費用 ÷ 1点あたりに残る額

7,000円 ÷ 900円 = 7.8 → 8個売れたところで費用を回収し、9個目から利益が出ます。

ここで注意したいのは、この「利益」にはまだ自分の工賃が入っていないことです。 搬入・設営・販売・撤収で8時間使ったなら、時給1,000円として8,000円。これも回収したいなら、(7,000+8,000) ÷ 900 = 16.7 → 17個が目標になります。 さらに作品を作った時間(1個30分なら17個で8.5時間)もあります。

目標必要な販売数(1点900円残る場合)
出店の費用だけ回収8個
当日の時間(8時間×1,000円)も回収17個
制作時間(1個30分×1,000円)も回収約28個

過去のイベントで売れた数と比べて、無理のない目標かどうかを見てください。

4. 出展料を「1点あたりの費用」にして値段に入れる

イベント用の値段を決めるときは、出店の費用を見込みの販売数で割って、作品1点の費用に足します。 7,000円を20個で割れば350円。ねづけ帳なら「梱包・その他」の欄に350円を足し、販売先を「イベント・手渡し」にすると、手数料なしで計算できます。

こうして出した価格が、ネットで売っている価格より高くなることがあります。その場合は、ネットの価格に合わせて「イベントは手数料がない代わりに出展料がかかる場所」と考えるか、イベント限定の作品を用意するかを決めます。 ネット販売と同じ価格にしておくと、お客さんが混乱せず、ネットのショップへの誘導にもなります。

5. 売れる数を増やすための準備

  • 価格帯を3つ用意する:手に取りやすい500〜1,000円、主力の1,500〜3,000円、目を引く5,000円以上。安い作品が「買う口実」になり、高い作品が「主力を安く見せる」役をします。
  • 値札は必ず全部につける:値段を聞くのが面倒で離れる人は多いです。ねづけ帳の有料版には、イベント用の値札印刷があります。
  • 持っていく数は目標の2〜3倍:ブースが寂しくなると売れ行きが落ちます。売り切れを狙わない。
  • キャッシュレス決済を用意する:手数料約3%でも、「現金がないから」の取りこぼしを防げます。
  • ショップカードとSNS・ネットショップのQRコード:当日買わなかった人があとから買えるようにしておく。

6. 終わったら、必ず振り返りの数字を残す

売上合計、売れた個数、売れた作品の内訳、費用、かかった時間。これを3回分ためると、「自分はこのイベントで平均○個売れる」が見えてきて、次の出展料が高いか安いかを判断できるようになります。

イベント以外の販売先(minne・Creema・委託など)との手数料の違いは、販売サイトの手数料比較にまとめています。

自分の作品で計算してみる

材料費・制作時間・販売先を入れるだけで、赤字にならない値段と実際の時給がわかります。無料・登録不要です。

値段を計算する